総合的な探究の時間

クエスト

1年生・「職業人に聞く」講座

本校の教育課程においては,「キャリア教育として,県内外の企業等と連携した研修を実施」することをスクールポリシーの一つとしています。3月16日(木)には2限連続で「職業人に聞く」講座が行われ,8つの進路別課題研究活動チームにそれぞれ講師の先生をお迎えし,お話を聞く機会を得ました。当日お越しいただいた先生方をご紹介し,生徒の感想を一部掲載します。先生方,お忙しいところをご来校いただき,ありがとうございました。

Aチーム(教育系統)川田 人包先生(松茂町幼稚園 キッズナビ指導員,鳴門教育大学・高松大学・高松短期大学 嘱託講師,松茂町教育支援委員会 副委員長,徳島県人権教育指導員)

・私は将来,教師になりたいと考えています。今日のお話を聞いて,ハンデキャップや心に傷を負った人たちに寄り添えるような教師になりたいと改めて思いました。

・日本の教員はインクルーシブ教育におけるスキルが欠如していることを初めて知りました。日本は障がい者施設や教育が整っていると思っていましたが,まだまだ配慮が不十分な点があるんだと感じました。

B・Cチーム(医療・福祉系統①②)木下 栄作先生(広島県健康福祉局 局長,厚生労働省 医系技官)オンライン講座

・私は将来,自衛隊の医師になって被災地や発展途上国の医療に貢献したいと考えています。今回のご講演は大変勉強になりました。

・医師としての知識を活用して行政で働くという進路があることを今回初めて知りました。また外国にいる被爆者の方達とも会って医療活動を行っていることも聞き,医療関係の仕事にはたくさんの可能性があることに感動しました。

・どうしても質問ができなかったのですが,木下先生は医師免許を持ちながら「厚労省」という,政治いわば文系に関わる仕事をなぜ選ばれたのでしょうか。「医系技官」という仕事があることも初めて知り,貴重な研修となりました。

・木下先生が「公衆衛生」という,県民の健康を守る政策をつくるお仕事をされていることを知り,私たちの生活を目に見えないところで支えてくださっている人たちがいることがよく分かりました。

Dチーム(医療・福祉系統③)宮田 早紀子先生  山本 美由紀先生  大西 久美先生(徳島市民病院 看護師・助産師)

・看護師や助産師は医師と同じ勉強をしなければならないということに驚きを感じました。医師も看護師も助産師も同じ医療チームとして頑張る素晴らしい仕事だと思います。

・心音や脈拍測定といった体験学習をさせていただきました。仕事は大変だと思いますが,日々命の大切さを感じながら患者さんと向き合うことはとても素敵だと思いました。 

Eチーム(社会科学系統)淵本 美由紀先生  須見 憲昭先生(阿波銀行本店 経営統括部 SDGs推進室)

・銀行の業務として最もやりがいを感じることは,お客様から「助かった」「ありがたい」という声をいただくときだそうです。今回の講演を聴いて,サービス業に興味が出てきました。

・「銀行員として大事なことは,お客様に寄り添ってお付き合いを続けていくことだ」と教えていただきました。私も理想の自分になるために,まずは今している勉強を大事にしていこうと思います。

Fチーム(人文・家政・芸術学系統)徳野 隆先生(徳島県立文書館 主席)

・徳野先生は大学で史学を学び,高校教師となり,現在は文書館にお勤めと聞き,自分の興味・関心があることを突き詰めていらっしゃるようにお見受けしました。私も自分の好きなことを追い続けていきたいと思います。

・私が最も興味を覚えたのは,文学部ではどのようなことを学び,どういった職業に就くことができるかということです。私が思っていたよりも幅広い仕事の可能性がありそうなので,いかに自分が努力するかが大切だということに気づきました。

Gチーム(工学系統)広田 智哉先生(公益財団法人e‐とくしま推進財団,徳島県職員)

・広田先生は,「クエストの研究テーマを身近な問題にするとよい」とおっしゃいました。自分が課題を感じていることはきっと同級生の共感も得やすく,面白い課題研究になると思います。

・私は「将来を考えて進路選択をしなければならない」という意識が強かったのですが,大学で学んだこととは違う分野の仕事に就かれた広田先生のお話を聞いて,少し肩の力が抜けたような気がしました。

Hチーム(理学・農学・情報工学チーム)安野 卓先生(徳島大学大学院 社会産業理工学研究部教授)

・私の想像以上にAIの持つ可能性が高く,空恐ろしさを感じましたが,逆に言えばAIが人間を良いバランスでサポートできれば,より高い技術の進歩が望まれると思いました。

・これからさまざまな選択を迫られる場面が人生にあると思いますが,安野先生がおっしゃったように「心躍る方」を選ぶことにより良い結果がもたらされることと,私自身に期待したいです。

 

1年生・企業研修(住友商事株式会社様)

3月15日(水),1年生の希望者を対象に,昨日に続いて企業研修が行われました。

本日は 髙橋 一郎様(四国支店長) 伊藤 拓郎様(国内業務企画部業務企画長)にご来校いただきました。

住友商事関西支社様には,毎年1年生が企業訪問をさせていただいておりましたが,新型コロナウィルス感染拡大のため残念ながら一時中断となっておりました。しかし直近の3年間はオンライン研修を実施していただき,大阪と徳島で離れてはいますが,社会の第一線で活躍される企業人にお話をしていただくという機会を得ることができました。

髙橋様,伊藤様,遠くからお越しいただきありがとうございました。

一日も早くコロナが収束し,学年で揃って県外研修にも出かけられる日が来ることを待望しています。

下記は生徒の感想の一部です。最後に記念撮影も行いました。

・今日のお話を聞き,「現状に満足せず,少しでも新しいものを」という向上心を持ち,物事に取り組もうと思いました。クエストに対するモチベーションも上がりました。

・お2人ともご自分の仕事に誇りを持ち,楽しく業務に取り組まれていることがよく伝わってきました。私もそんな職業に就けるといいなと思います。もしその望みが叶わなくても,楽しんで仕事ができる人になりたいと思いました。

・「やらされている仕事は発展しない」という言葉が印象に残りました。私は勉強を「やらされている」という意識を持っていたのですが,今日のお話を聞いて考え方を変えようと思いました。

・大企業だからこそ時代の流れに合わせた仕事ができるんだと思いました。商社の方にお話を聞くのはもちろん初めてなので,情報全てが新鮮なものに感じました。

・海外赴任や出張のお話が印象的です。さまざまな人種や文化を持った人とつながりが生まれるのは素晴らしいことだと思いました。私たちのような若い世代は,社会の要求を的確に理解し,自ら動いていく必要性を感じました。

 

1年生・企業研修(TOPIA様)

3月14日(火)午後,1年生の希望者を対象に企業研修が行われました。

この日は,長田 有加里様(公益財団法人徳島県国際交流協会 地域外国人コーディネーター)にご来校いただき,ご自身の青年海外協力隊での経験や,グローバル社会のなかで身につけるべきものは何かなど,多岐に渡るお話をたくさん聞かせていただきました。

TOPIA(Tokushima Prefectural International Exchange Association)こと,徳島県国際交流協会様は徳島駅クレメントプラザ6階にあり,パンフレットを拝見すると「国際交流・協力の推進」「多文化共生・国際理解の推進」,また外国人を対象にした「生活相談・情報提供」など,さまざまな事業を行われています。本校2年生の課題研究でもお世話になることが多く,長田先生のお話は興味深い内容ばかりでした。また講座が終わったあとも,生徒の質問に丁寧に回答をしてくださいました。長田先生。お世話になりました。ありがとうございました。

下記に生徒の感想をいくつか紹介します。

・本日お話を聞いて,日本で働く外国人労働者は非常に大切な存在であると感じました。しかし日本で働くよりも他国で働く方が環境・条件が良くなると,彼らは日本を離れるので,日本経済が傾く可能性があります。だからこそ日本人一人一人が偏見や差別をなくし,外国人と親しく接していく必要性があると思います。

・自分の住んでいる徳島県でどのような国際交流が行われているのかを知ることができ,大変有意義な研修になりました。長田先生が赴任されていたセネガルでは,日本人は好印象を持たれていることが分かり,嬉しく感じました。またそれは日本の国際協力や支援が実を結んだ結果ではないかと思いました。

・アフリカの人たちは「probrem(問題・課題)」を「challenge(挑戦)」と捉えて行動しているとお聞きし,私たち日本人も同じ心構えを持つべきだと思いました。長田先生のお奨めは,外国語を楽しみながら勉強し,怖がらずに使っていくという方法だそうで,私も実践してみたいと思います。

・長田先生の講演は楽しく,また講演終了後の質問にも親切に答えてくださいました。セネガルの人は大変フレンドリーで「(自宅にごはんを)食べに来て」と声を掛けられることに驚きました。私はまだ外国人観光客の方と会話したことはないのですが,もし話すことがあれば「やさしい日本語」を心がけたいです。

・私は,「海外で社会や地球のために活動できる人は,元からハイスペックな人だ」と思っていましたが,長田先生の高校時代のお話を聞くと私たちと変わらないような環境にいらっしゃったということなので,これからが大事なのだと思いました。これまで「外国人=英語」という偏見を持っていたことにも気づかされ,まだまだ社会にはアンコンシャスバイアス(unconscious bias・無意識の偏見)があるのではないかと思いました。

2年生・課題研究発表会

2月16日(木),これまでの課題研究の成果についてプレゼンテーションを行う課題研究発表会が本校大アリーナで行われました。代表班の「研究テーマ」は下記のとおりです。また【発表を終えての感想】もご覧ください。この日はインドネシア研修班とNIYLS(Normandy International Youth Leadership Summit)の発表も併せて行われました。

Aチーム 「ちゃりんこcycle charichari‐新自転車レンタルサイクルの実施で徳島が抱える問題は実現できるのか~」【今からクエストに取りかかる城東生に伝えたいことは,全力で自分の興味があること,身近で課題を感じることを見つけてそれを探究してほしいということです。私たちのように人生を変えてしまうような出会いをするかもしれません。ぜひ,クエストの時間を楽しんでください。】

Bチーム 「避難訓練を再考する~他者に頼らない避難のスイッチ~」【自分たちが取り組んだことを1・2年生全員に聞いてもらえるという貴重な機会をいただき光栄でした。他班の発表も非常に興味深く,知見を深めることができました。】

Cチーム 「植物肉は世界の食料問題の救世主となり得るのか」【自分たちでテーマを決めて課題を設定し,その解決のために班員と協力し合い,さまざまな調査を行いました。今回多くの人にその成果を聞いていただくことができて大変嬉しく思いました。】

Dチーム 「ICTで労働環境は改善できるのか」【他班よりも準備ができていなかったと思いますが,アドリブも交え無事に発表を終えることができました。課題研究に取り組むことで課題に対する学びを深められただけではなく,コミュニケーション能力やチームワークも高められたと思います。】

Eチーム 「日々の生活で健康に~漢方・薬膳を利用して~」【私たちが課題研究で最も意識したことはテーマに沿って論理的に文章を展開することです。しかし書籍や資料を活用して自分たちなりに課題解決を行うことは困難なことでした。この経験を経て培った新しい視点やプレゼンテーション能力を進学後も活用していきたいです。】

Fチーム 「避難所での感染症対策 城東高校で十分な感染症対策はできるのか」【課題研究に取り組んだ経験を活かしていきたいと思います。日常生活のなかで感じた疑問をもとに具体的な問いを立て,自分で答を考えることで,よりよい社会づくりに貢献できるようにしたいです。】

Gチーム 「ジェネリック医薬品の普及によるさらなる医薬品アクセスの向上は可能か」【1年生のクエストは具体的な事例に関わることが少なく,つかみどころがないように感じるかもしれません。しかし今取り組んでいることが2年生になって参考になることもあるので,1年生,2年生ともにクエストを楽しんで欲しいです。】

Hチーム 「『おしゃれ』と『SDGs』は共存できるのか」【今思えば,発表を前提に研究を進めるのではなく,自分の興味・関心について探究することに重きを置いていれば更に専門的な研究ができたのではないかと思っています。しかし,一つのテーマについて長い時間をかけて深めることは自分の進路を考え直すきっかけにもなり,大勢の前での発表は良い経験になりました。】 

今回講師としてご来校をいただいた渡部 稔先生(徳島大学教養教育院 教授)からは各班の発表について細やかなアドバイスを,山口 裕之先生(徳島大学総合科学部 教授)からは進学後の学びについてお話をいただき,課題研究に対する期待感が高まりました。

また1年生からは「来年は壇上に立って発表してみたいです」「Aチームのようにビジネスに結びつく発表を聞いて刺激を受けました」「多様な視点から課題について研究に取り組んでおり,どれも興味深かったです」「アイコンタクトを取り,メリハリのある発表を行うことで聞く人の心をつかむことができるんだなと思いました」「発表班や2組の国際交流グループには信念のようなものを感じました」のような感想が聞かれました。

 

2年生・「ビジネスプラン 学生ピッチ大会」銅賞・徳島市長賞受賞

2月10日(金)一般社団法人徳島イノベーションスペース様主催の「ビジネスプラン 学生ピッチ大会」が徳島大学の常三島けやきホールで行われ,2年生のグループが出場しました。

グループ名:ちゃりんこcycle charichari(松田 明香里・岸村 美咲・久次米 暖)

発表テーマ:新自転車レンタルサイクルの実施で徳島が抱える問題は実現できるのか

ピッチ(pitch)とは「短いプレゼンテーション」を指すビジネス用語です。私たちはこれまでの探究活動(クエスト)の成果として,高校生が相互に自転車を提供しあい,活動範囲を広げることによって徳島の活性化を図ることを提言しました。「ビジネスプラン」という観点から「自転車を借りる」「自転車を貸す」行為には料金が発生します。さらに収益を上げることも必要です。3分間のピッチのあとに2分間の質疑応答が行われ,特別審査員に加えてオン・オフラインでご覧になっている皆さんからの投票時間となりました。その結果,銅賞をいただき,感激をしていると,さらに徳島市長賞受賞者としてグループ名を呼んでいただきました。

徳島市長からは「私も高校時代,徳島県の公共交通機関の脆弱さから同じ悩みを持っていました。若い皆さんがこのようなプランを考えてくださったことが大変嬉しいです。」とコメントを頂戴し,ホールにいらっしゃった皆さんからも温かい拍手をいただきました。またこの日は私たち以外にも高校生2名,徳島大学の学生3名,さらに特別ピッチとして小学生の起業家からも発表があり,大変楽しく,刺激となりました。お世話いただきました皆様,本当にありがとうございました。

 

1年生・2022年度 課題研究①

本日のクエストでは,課題研究について,2年生から1年生へのレクチャーが行われました。

2年生が1年生の教室を訪問し,1年半に渡り取り組んだ課題研究について話をしました。

取り上げられた課題研究のテーマは下記の内容です。

[人文科学系統チーム]

・学校大改革作戦!~インクルーシブ教育って?~ ・絵本で発展途上国の識字率は向上するのか ・ジェンダーレス制服の導入は必要か‐自分が好きな自分でいられる学校へ‐

[社会科学系統チーム]

・~もったいないからありがとうへ~届け!私たちのフードドライブマップ ・アベノミクスで日本の景気はよくなったか ・アパレル業界は今後発展するのか~ファストファッション~

[教育・芸術・家政系統チーム]

・徳島県の学力向上に向けて何ができるか‐教育政策から考える‐ ・暗記重視の受け身的な日本の教育を変えるには?~ヨーロッパの教育と比較して考える~ ・日本では質の高い教育が行われているのか~カナダと日本の教育を比較して~

[医療・福祉系統チーム]

・徳島の環境が糖尿病患者の多さに直結しているのか ・医療ケア児の生活を改善するためにはどうすればよいか ・遠隔医療で医療格差を改善できるのか ・子供に薬を飲ませよう大作戦! ・視力低下の抑制は可能か ・マスク着用が自由となった後,日本で人々はマスクを外すのか ・言葉の壁を取り除けば外国人患者の受け入れは増えるのか ・健康的だと言われている白湯の正体を探れ~白湯は本当に身体によいのか~ ・医療AIによって日本の医療格差はなくせるのか

[工学系統チーム]

・CO2をエネルギー源として走る車は実現するのか ・消波ブロックのよりよい形は?~人間の生活と海洋生物の豊かさを守るために~ ・メタバースによって生活はどう変わるのか

[理学・農学系統チーム]

・放置自転車撃滅 ・日本の食卓をPROTECT☆~大豆の食料自給率は向上するのか~ ・徳島城公園のアオサギ被害は防げるか

1年生からは「テーマはどのようにして決めたのですか」「課題研究で苦労した点は何ですか」「インタビューは何人を対象に行ったのですか」など,先輩方に積極的に質問をしていました。2年生の皆さん,ありがとうございました。

1年生 高校生×サスティナブル・あわ(OUR)講座参加

本校1年生3名が,令和4年度 高校生×サスティナブル・あわ(OUR)講座(主催 徳島県教育委員会)に参加しました。

12校50名の高校生が参加した,3回にわたるプログラムは下記のとおりです。

第1回:11月23日(水)①サスティナブルな「まちづくり」を学ぼう~"にし阿波"から発信する,SDGsの実践者から事例紹介~(オンラインによる事前学習)

第2回:11月26日(土)②サスティナブル体験ツアー(東みよし町,つるぎ町)

第3回:1月21日(土)  ③サスティナブル・セッション~私たちにもできることを考えよう~

   (四国大学 交流プラザ)

本校からの参加者3名の感想を記します。

・徳島を再確認する良い機会となりました。何が徳島に足りていないのか,また徳島の現況を考え,知ることによって,新たな魅力の発見や,今後の理想の生活を模索することに繋げることができました。自分と異なる意見を持つ人も多くいましたが,それを受け入れ,取り入れることが大切だと感じました。(古東 優真)

・私が参加したサスティナブル・あわ(OUR)講座の現地学習では,にし阿波のSDGsの取り組みを見学しました。半田そうめんの店では古民家の再生や害獣であるシカの皮を使った財布の生産,販売など,地域資源を活用した新たなビジネスモデルを知ることができました。見学後のワークショップでは,他校からの参加者と意見交換を行い,持続可能なまちづくりへの理解を深めることができました。(鈴江 柾晴)

・サスティナブル・あわ(OUR)講座を通して,今の徳島に最も必要なことは「内部への情報発信」ではないかと感じました。徳島県民はふるさとに対してマイナス思考を持ちがちで,徳島の良さを知ることができていません。私たちが知らない魅力を県外,国外の人が知ることは難しく,まず取り組むべきことは次世代を担う若い県民が地元の良さを理解することだと思います。さらに多くの若者が今回のワークショップのような活動に参加し,徳島の魅力を再発見して欲しいと願っています。(花岡 芭奈)

 

2年生・とくしま創世アワード2022 ひらめき賞 奨励賞受賞

2年生クエストAチーム8班の課題研究が,とくしま創世アワード2022において,学生対象の ひらめき賞 奨励賞を受賞しました。

プレゼンテーションのテーマ:コミュニティーサイクルで生活を便利に

メンバー:松田 明香里,岸村 実咲,久次米 暖

私たちの課題研究は,放置自転車の再利用としてレンタル自転車を各駅に配置するというものです。

放置自転車の有効活用するため、徳島県内のJR各駅にレンタル自転車を設置し,移動手段として安価な値段で自転車を貸し出し,高校生に大いに徳島県を探索してもらいます。私たちの行動範囲もぐんと広がり,われらが徳島の魅力をこれまで以上に知ることができます。また運営費用については協賛してくださる企業を募りたいと考えています。

1月27日(土)に最終審査会と表彰式が行われ,私たちも出席させていただきました。入賞者のプレゼンテーションはどれも素晴らしく,大変勉強になりました。

下の写真は表彰式後に撮っていただいたものです。とくしま創世アワード実行委員会の皆様。ご協賛の企業の皆様。大変お世話になりました。ありがとうございました。

 

 

1年生・クエスト講座(academic)

1月26日(木),1年生対象にオンラインでクエスト講座(academic)が行われました。

演題:「グローバル化とDX・AI化した世界は,どのような人材を求めるか」

講演者:松繁 寿和先生(高松大学経営学部 教授)

大阪大学大学院国際公共政策研究科 ESGインテグレーション研究教育(ESG‐IREC)センター 特任教授,大阪大学大学院工学研究科 パーソル高度バイオDX産業人材育成協働研究所 特任教授,大阪大学大学院情報科学研究科 招へい教授)ご兼任

松繁先生は,まず最初に,「As is」(現状)と「To be」(あるべき理想の状態)のギャップをどう埋めるかが課題研究であるとお話になりました。たとえば「徳島県の総人口」を把握し,「人口減少社会における徳島県のあるべき姿」をイメージします。そのギャップを埋めるにはどのうような対策を取るべきか,「働きがい」「経済成長」「医療・福祉」「平和と公正」など,SDGsの観点から高校生の私たちが考えるべきことや起こせるアクションはいろいろとありそうです。

講演のあとは,チーム代表者から質問が行われました。松繁先生はそのひとつひとつに丁寧に回答をくださいました。ありがとうございました。

下記は生徒の感想の一部です。

・松繁先生は,生徒からの質問に対してよく「君たちが・・・」とおっしゃっていました。未来を良くしていくのは私たちであり,若者が革新的な行動を起こすべきだということがよく伝わってきました。

・将来AIがますます発展を遂げ,今ある職業が奪われていく事態は100%起こりうることです。社会の変化に呑み込まれないように,自分のオリジナリティーを伸ばしていきたいです。

・お話を聞くまでは日本は「先進国」の一つであり,漠然とした安心感を持っていました。しかし現在,アジア圏だけでもシンガポール,台湾といった国々に技術的に劣ることを知り,技術革新の必要性を再認識しました。

・日本人が真の意味でのグローバル化をするには英語を勉強するだけでなく,自らが考えなければいけないということに気づきました。私はこれまで人に意見を聞いてから行動する癖がありました。しかしこれからは自分で課題を見つけて解決できるような力を身につけたいです。

・質疑応答を聞いていて,改めて自分の視野の狭さを痛感しました。というよりも,物理的に視界に入ってくる対象を見る力が足りていないということに気づきました。自分自身の進路についても真剣に見つめ直す必要性を感じます。

・「徳島だけ」「日本だけ」という考え方ではこれからは立ちゆかないことが分かりました。AI化が進んでも将来残る仕事には,自分で課題を見つけ,解決していく力が必要になると感じました。

・「As is」と「To be」のお話から,自分がこれから何をすべきか見えてきたような感じがしました。パターン化やマニュアル化できる考え方に終始するのではなく,新しい問題に対応し解決していく人間になりたいです。

 

 

1年生・エシカル消費講演会

12月16日(金)に1年生を対象にしたエシカル消費講演会が行われました。

講師:鎌田 安里紗氏(一般社団法人unisteps共同代表)(徳島市出身)

演題:「サステナブルファッションー人と自然と衣服のつながり-」

鎌田先生は,上記の共同代表をお務めになると同時に,環境省森里川海プロジェクトアンバサダーや消費者庁サステナブルファッションサポーター等,エシカル消費を促す活動に精力的に取り組まれています。また現在は,大学院の博士課程にも在籍されているそうです。

講演のなかでは「私たちの衣服はほぼ海外でつくられていること」「綿花生産や縫製に関わる海外の労働者に過重な負担が掛かっていること」「チリのアタカマ砂漠の現況」など,ひとつひとつ丁寧にお話をしてくださいました。また続いて,本校のエシカルクラブ代表者4名が参加してパネルディスカッションも行われました。さらに会場に質問が投げかけられると,意見を述べる手が次々と上がりました。

鎌田先生。ありがとうございました。下記は生徒のポートフォリオの一部です。

・私たちの衣服は,日本では1.8%しかつくられていないという状況に驚きました。今まで私は安価でかわいいからという理由で服を選んでいましたが,この講演を機に,自分の消費行動を見直したいと思います。

・「服を買う」という私たちの行動一つが経済の問題につながっていることを知り,壮大な感じを受けました。バングラデシュで起こった労働災害や,ニュースで知った他国の強制労働など,何がそこで起きているか分からない状況に危機感を覚えます。

・「気になることは企業に聞いてみたらいい」というお話に驚きました。インターネットで得る情報には限りがあるし,知りたいことがそのままずばり載っているわけではありません。私たち消費者の質問や意見は企業を良い方向に変えていけると思います。

・服をつくるのに人,自然,動物などいろいろなものや場所に負担が掛かっていることを改めて認識しました。服一着をつくるのに多くの水が汚染されていることを考えるだけで,毎日の生活に感謝すると同時に,自然や労働環境を変えるために何か行動するべきだと思いました。

・パネルディスカッションに参加した生徒の質問を通じて,エシカルファッションについてより詳しく知ることができました。なかなか店員さんに質問をすることはできないと思いますが,今度服を購入するときは,今自分に必要なものなのか,よく考えるようにしたいです。