総合的な探究の時間

第1学年企業研修

令和5年9月29日(金)に第1学年の生徒が6グループに分かれて企業研修に参加してきました。夏期休業中を利用して作成した事前レポートや質問事項をもとに企業の方に積極的に質問する姿が見られました。

今回の研修では、住友商事、理化学研究所、神戸税関、パソナグループ、湧永製薬、株式会社いろどり、NPO法人ひだまりの皆様に大変お世話になりました。ありがとうございました。この研修で学んだことを11月にポスターセッションで発表する予定です。

 

生徒の感想【住友商事】

私は、将来海外で活躍する人になりたいという夢があり、様々な事業を海外で展開されている貴社で、ホームページでは分からない裏話などを伺うことができ、心から嬉しく思います。私は、今年の夏休みに本校が主催しているインドネシア研修に参加したので、高橋さんのお話はとても興味深く、各国には、その土地の宗教や文化、考え方があり、それらを尊重することが大切だというお言葉が大変心に残りました。また、改めて普段の授業を大切に受けようと感じました。2020年に誰も予想していなかったコロナウイルスが流行したのと同様に、自然災害や戦争など、急速に変化する社会に遅れを取らないように、企業の意思決定や判断のスピードも求められていることがわかりました。今回、アドバイスしてくださったように、私も夢中になれるものを見つけて、何かに一生懸命取り組み、自分の発想力でしっかり考え、意見を持てる人になりたいです。

 

貴社の具体的な仕事内容から、海外赴任での様々な経験談まで、日常とはかけ離れたお話を直接伺うことができ、非常に視野の広がった時間となりました。研修前は「商社」という漠然とした言葉に実感が湧きませんでしたが、具体的に話を伺い、携帯電話や車の薄板など、自分の身の回りとも関わりがあることを知り、貴社は私たちが想像する以上に深く生活に関わり、社会課題の解決に貢献されているのだろうと強く感じました。今回の研修で最も心に残っている言葉は、「何をするにしても自分事だと思ってする」という言葉です。学校をはじめとする社会集団の中で、仕方なく型通りに生活するのではなく、自分なりの意見を持って行動していくというのは、これまで半ば諦めかけていたことでしたが、今回のお言葉で背中を押されたような気がしました。激動する現代の世の中で生きるヒントを見出させてくださったように思います。本当にありがとうございました。

 

 

生徒の感想【理化学研究所神戸キャンパス】

今回の企業研修では興味深いお話を数多く伺うことができたと感じています。以前から興味を持っていたヒトの生命機能について、わかりやすく、それであって専門的なことを十分に伺うことができ、あっという間に時間が過ぎていきました。私の興味もより深いものになったので、参加することができて良かったです。実際の研究に関するお話は勿論とても面白かったのですが、私の心に最も残っていることは、「研究者として日頃から心がけていることは」という質問に対する答えです。「考えるのは、いつでもどこでもできるから、つい際限なく考え続けてしまう。メリハリをつけないと疲れてしまう」というようなことをおっしゃっていたと思うのですが、そこまで言うことができるほど、強い興味を持っていて、好きなことを仕事にすることができたら、なんて幸せなことなんだろう…!と思いました。私も高校生のうちに、自分が興味を持っているもの、好きなことについて、しっかり自分で理解して、将来は自分の興味に合った、やりがいのある楽しい仕事に就きたいと思いました。すごく楽しい研修でした。ありがとうございました。

 

私は、ライフサイエンス研究のことについてや、研究自体についてもあまり具体的に知っていなかったので、研究をするうえでの考え方や、AiSISやPETなどの技術、ES細胞とiPS細胞の違いとiPS細胞がノーベル賞に値した理由である分化前後のお話もとても面白かったです。特に面白いと感じたことは、蛍光たんぱく質を利用して研究するものを見えやすくすることで、蛍光たんぱく質の付着を遺伝子レベルで行い、DNAの間にくっつけるという方法が自分の中ですんなりと納得することができて、同様にすれば、もっと様々なことができると思ってわくわくしました。この経験を通して、より細胞などについて知りたいと思ったので、自分で調べてみたいです。本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒の感想【神戸税関】

神戸税関では、関税をかける「税」と危険物を取り締まる「関」の仕事で成り立っていると分かった。日本は島国であるため、様々なものを輸入しているからこそ、税関という存在が大切であると学んだ。先日、飛行機に乗った際、国内旅行ではあるが、手荷物検査を経験した。国内だから、もっと手軽に行くことができればいいのにと思ったが、あのような検査があることで、私たちの安全が守られていると気がついた。税関の仕事は、入国の最後の関門であるため、仕事を担う各々の責任は言葉では表せないほど大きくなるけれど、日本を守るという強い使命感に格好良さを感じた。日々の仕事の一つ一つは細かなもので流れ作業のようになってしまうかもしれない。しかしながら危険物を見逃してしまえば、犯罪が増加してしまう。だからこそ、「普段をしっかり勉強」して異常を見つけなければならないと分かり、その言葉が心に響いた。

 

神戸税関を初めて見学し、仕事内容を伺ったり、質問をしたりすることで、多くのことを学ぶことができました。税関があることによって、私たちの身の回りにある輸入品の安全が保たれていることを知り、とても責任のある仕事だと思いました。また、100%の信頼できる情報がないところから取り締まるものを見つけていくと伺い、諦めないことの大切さを実感しました。質疑応答の際には、「税関には、向き、不向きはなく、務めてから部署を選ぶことができる」という言葉には、とても驚きました。神戸税関には30種類もの部署があるということで、自分に合うものを選ぶことができることは、大変魅力的だと感じました。特に印象に残ったのは、「普段のことをしっかり勉強する」という考えです。確かに、当たり前、普段のことができないのであれば、他のこともできないだろうと改めて思うことができました。これからは普段のことを疎かにせず、今学ぶことのできる全てのことを吸収し、税関職員の方々のように、伝統ある庁舎でやりがいのある仕事につけるよう、高校生活を送っていきたいと思います。今回は本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 生徒の感想【パソナグループ】

今回の研修を通して、これからの社会に地方創生がどう関わってくるのか、また、その大切さについて学ぶことができました。地方の課題としては人口流出による過疎化やコミュニティの衰退、それらによる医療・介護の困難などが挙げられ、都市部には大規模な自然災害への備え、パンデミックなどが発生した際の対処などが課題としてあることを知りました。都市と地方、それぞれがそれぞれの課題を自力で解決するのではなく、互いに協力して「まち・ひと・しごと」で解決していこうという目標は、とても素晴らしいものだと感じました。また、淡路島のオフィスが、もともと淡路島にあった建物を改装してつくられていると知って、SDGsにも配慮されていて良いと思いました。私も将来、自分にできる形で徳島を、地元を盛り上げられたらいいなと思いました。地方創生に興味を持つ人が増え、日本全体が活気あふれることを祈っています。

 

午後から行われたワークショップでは、「廃校」をテーマに班のメンバーと協力して様々な案を出して発表したり、他の班の発表を聞くことができたりして、大変有意義な時間となりました。案はたくさん出るのですが、それを上手にまとめたり、アピールポイントを考えたりすることは、とても難しかったです。発表後に、ファシリテーターの方から、発表をさらに良くするための方法や改善点を教えていただき、今後に生かしていきたいと思いました。

 

 

生徒の感想【湧永製薬】

 この企業研修を通して、二つのことが印象に残りました。一つは、薬に国境はなく、薬は世界規模で開発・生産されているということです。以前、私は薬に対して、「日本の薬、アメリカの薬、中国の薬」と国内の規模で生産され使用されるイメージを持っていました。しかし、この企業研修を通して、薬は世界共通だと実感しました。外国文化や外国人の特性に合わせて薬を粉から錠剤にしたり、世界基準で厳しい薬品管理をしたりするのもそのためだと思いました。もう一つは、自ら考えてつくる力が研究には大切だということです。また、「PDCAサイクルを回し続ける」という言葉も印象に残りました。私は、将来の夢がまだ明確には決まっていません。そのため、今、自分は何をしたいのか、何になりたいのか、毎日探しています。探しながら小さな目標を達成することができるように「PDCAサイクル」を回し続けたいと強く思いました。そして、おっしゃっていた「楽しんで取り組む」ことを忘れず、いつか自分の将来の夢をかなえたいです。本当にありがとうございました。

 

私は薬学に興味があり、製薬会社で働くことが夢です。そのため、この企業研修をとても楽しみにしていました。私がこの研修を通して特に印象に残ったのは、薬を作る上で品質管理が非常に重要であるという点です。薬の量の少しのずれが人間の生死に関わるということの重大性を改めて感じました。また、私は以前から、自社ではなくアメリカの企業に技術供与をされていることを疑問に思っていました。しかし、お話を伺って、新薬開発において多くの過程がある中、費用削減、効率性を高めるため、基礎研究、臨床実験や申請と分担していることが分かりました。会社との特許の交渉についてのご説明も大変勉強になり、興味深かったです。また、工場見学では、ニンニクの熟成から充填までを拝見しました。私たちが服用している薬は、研究、開発、製造に携わる多くの方々の努力の結晶なのだと気づかされ、感謝の気持ちが込み上げてきました。この研修を通して曖昧であった夢が明確になりました。夢を叶えるため、今回の研修で伺ったことを胸に刻み、様々な選択をしていきたいです。本当にありがとうございました。

 

生徒の感想【株式会社いろどり】

企業研修に参加して、地域の特色を活かすことの大切さと、それが秘める可能性を実感することができました。少子高齢化によって若い世代の労働力が不足しがちな現在、多くの場合「どうやって若い人を呼び込むか」という観点で町興しが行われているように思います。それに対し、「高齢者の方が働きやすい環境を整える」ということに取り組み、成功を収めた上勝町について知り、新たな可能性を提示されたように感じました。そして、実際にお話を伺い、否定されながらも諦めなかった横石さん、最初に横石さんに協力した4軒の農家の方々、そして「いろどり」に携わった多くの人々、いくつもの思いが絡み合って、今の上勝が生まれたのだなと感じました。「いろどり」に関わる人々のお話を伺い、「いろどり」は数多くの人の物語が交わる交差点のような場所であるように思いました。商用の葉っぱのパック詰め体験、いろどり農家の方へのインタビュー、上勝の瑞々しい自然の中での散策など、得難い経験をいくつもすることができて本当によかったです。

 

生徒の感想【上勝町NPO法人ひだまり】

ゼロ・ウエイストセンターを見学して、廃材が出ないようにたくさんの工夫がなされていることを知りました。くるくるショップの床に割れた陶器のかけらが散りばめられているのも、作業に半年かかったと伺い、半年かけるほどの熱意があってすごいと思いました。また、休憩場所の柱に、木を1本まるごと使っていることを知り、木造建築の柱はどうしても四角いイメージがあるのに、そのようなアイデアが浮かぶのは素敵だなと思いました。環境にも優しいし、デザインも画期的で発信力のあるゼロ・ウェイストセンターを実際に見ることができて嬉しかったです。研修前は、ゼロ・ウェイストセンターの方は迷いもなく分別をこなすのかなと思っていましたが、実際にインタビューをしてみると、迷うことがあると話されて少し驚きました。しかし、例として挙げられた時計のように、複数の素材でできていて、どうしても分解しなければいけないものがたくさんあるし、汚れが落ちないものなどはリサイクル自体が難しいものもあり、ゴミをゼロにするのは難しいのだなと改めて感じました。だからこそ、製品をつくるときから捨てるときのことを考えなければならないことを実感しました。上勝では、やがて世界までゼロ・ウェイストの考えが広がるように、まずは自分たちから率先して行動されていることを学び、人に任せるのではなく、自分から解決しようという姿勢が大事だと気づきました。ひだまり様では高齢の方が生きがいを見つけられるようにと、くるくる工房などの施設も運営されていて、住民が支え合って生活する町は本当に素晴らしいと思いました。見学やインタビューもさせていただき、ありがとうございました。