総合的な探究の時間

2021年2月の記事一覧

課題研究発表会

 2月18日(木),本校で,Zoomを使用した令和2年度課題研究発表会が行われました。総合的な探究の時間(クエスト)代表班は,カメラの前で発表し,その様子を1・2年生が離れた教室で視聴するという初めての試みです。
 現2年生は,1年生の後半からSDGs(持続可能な開発目標)についての研究を始めましたが,この日,代表の8班がパワーポイントを用いて,研究の成果を堂々と発表をしました。加えて,令和2年度「NIPPON」探究ハイスクール事業の生徒発表も行われました。なお,各班のSDGsゴール目標と発表テーマおよび「NIPPON」探究グループの発表テーマと,全班代表者の感想(発表順)は下記のとおりです。

①SDGsゴール【飢餓をゼロに】
  発表テーマ【消費活動の中で起こるフードロスは解消されるのか】
 
 今まで全くプレゼンというものをしたことがありませんでしたが,スライドを作ったり,それを分かりやすく伝えるということが想像以上に難しいことを課題研究発表会を通して知ることができ,大変貴重な経験となりました。いただいた講評を参考にし,今後にいかしていこうと思います。【松田 龍憲】

②SDGsゴール【質の高い教育をみんなに】
  発表テーマ【先生一人に対しての生徒の数が減ると,〃教育の質〃はどうなるのか】
 
 一生懸命進めて来た研究を多くの人に聞いてもらう機会をいただけたことをとても感謝しています。研究をしてみて,答えのない問題に自分たちだけの答えを出すことの難しさや大変さを痛感しました。しかし,難しかったからこそ,この活動は価値があると感じました。発表が終わって振り返ると,研究は達成感があって楽しかったです。【坂本 萌々子】

③SDGsゴール【産業と技術革新の基盤をつくろう】
  発表テーマ【自動運転の実現は田舎の移動を救えるのか】
 
 班のみんなで何度も放課後に残り,プレゼンテーションや発表原稿を考えてきたので,とても緊張したが,うまくわかりやすく発表できたと思う。【小幡 空良】

④SDGsゴール【気候変動に具体的な対策を】
  発表テーマ【海面上昇は人間の脅威になり得るか?】
 
 緊張したが,予定通り発表することができてよかった。自分たちなりに調べ,学習をして,結論と提案を考えたが,大学の先生がおっしゃっていた〃批判的に考える〃ということが欠けていた。今回の発表を自分の将来に生かしていきたいと思う。【山口 秀人】

⑤SDGsテーマ【海の豊かさを守ろう】
    発表テーマ【日本はプラスチックによる過剰な包装から脱却可能であるか】
 
 今年はコロナの影響で例年とは異なり,Zoomを使ったカメラに向かっての発表となった。反省すべき点はたくさんあるが,伝えたいことはしっかりと伝えることができて一安心している。私たちのプレゼンを聞いて,誰か1人でもプラスチックとの向き合い方を意識してくれたら嬉しく思う。【廣田 智行】

⑥SDGsテーマ【つくる責任 つかう責任】
    発表テーマ【食品ロスを削減するにはどうしたらいいのか?】
 
 クエストを通して,初めてSDGsを知りました。大きな規模の話なので,自分たちには関係ないと思ってしまいがちですが,この活動をしてきた中で意識が変わりました。代表班として発表するために,内容についてもたくさん話し合いました。講評では,「意識を変える系」の結論は意味がないと教えていただきましたが,高校生の私たちが現在の問題を解決しようという意識を持つことは行動の変化につながるので,効果的だと思います。人に言われて意識を変えるのは難しいことなので,興味をもったことについて自力で深く調べ,考えることが大切だと,クエストを通して学ぶことができました。【井上 翔太】

⑦SDGsテーマ【貧困をなくそう】
    発表テーマ【アフガニスタンの水不足は井戸作りで解決できるか】
 
 本日はとても良い経験ができた。高校生の時点で,自らが研究したことを大勢の人の前で発表できるという機会は,とても貴重なものであった。構造上仕方のないことだが,聴いてくれる人の表情を見られなかったことは残念であり,これからの対策が問題だと思う。【岡田 眞宙】

⑧SDGsテーマ【すべての人に健康と福祉を】
    発表テーマ【過疎地域における医療従事者やサービス不足の解消はできるのか】
 
 他の班の発表に終始圧倒されていました。非常に稚拙な発表でしたが,代表班としてこのような経験をさせていただいたことはありがたいと思っています。「批判的な視点」をもって物事を観察できるようにしたいと思っています。【喜多 琉輝】

⑨「NIPPON」探究班 
  発表テーマ【なぜ,徳島高等女学校の修学旅行は,大陸に渡ったのか~修学旅行資料から見た大陸へのまなざし~】
  
 今年度は,コロナの影響により,多くの活動が県内などの狭い範囲に制限される年になりました。その中でも,新しい試みとして,Zoomで研究の発表をする機会を多くの方々のご協力により実現することができました。残念なことも多くありましたが,他の人の助けの大きさを実感できる発表であったと思います。【庄野 実里】

 すべての発表終了後,徳島大学の山口 裕之先生(総合科学部 社会総合科学科教授)と岩田 貴先生(教養教育院教授)から,ご講評と励ましのお言葉をいただきました。両先生のアドバイスを忘れないように,これまで以上に,課題研究に意欲を持って取り組みたいと考えています。
 今回の課題研究発表会開催につきましては,たくさんの先生方にご協力をいただきました。また3名の放送部員も大活躍してくれました。皆さんの後押しのおかげで,課題研究発表会が開催できましたことを深く感謝申し上げます。ありがとうございました。


第2回オンライン講座(企業研修)

 2月15日(月),住友商事関西支社と本校をZoomで結び,第2回オンライン講座が行われました。
 住友商事様には,長年,本校1年生の企業研修をお引き受けいただいておりますが,新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて,今年は関西支社にお伺いすることができませんでした。非常に残念な気持ちでおりましたが,住友商事様のご好意により,今回オンラインでの研修が実現致しました。今回も,生徒は個別にタブレット端末とヘッドフォンを用い,お話を聞き漏らさないように,講座に臨みました。
 生徒の感想文を一部,ご紹介します。

・今回のお話で最も驚いたのは,住友商事様は昔から植林活動をしていて,持続可能な社会を築いていくという考え方があったということです。素晴らしい信念だと思います。だからこそ,住友商事様が100年も続く大企業になったのだと感じました。これからの社会を担う私たちには,変化する社会に対応し,新たなものを生み出す力が求められています。学生のうちにさまざまな体験をして,思うだけではなく行動を起こせる力を身につけたいです。

・私が印象に残ったのは,「100点満点の行動はなくても,行動しないことは0点だ」というお話です。私は失敗が怖くて行動しなかったことが何度もあります。そして,そのたびに後悔していました。しかし共感して励まし合える仲間をつくって,やらない後悔よりやって後悔したいと強く思いました。私の質問にも答えていただき,嬉しかったです。本日は,本当にありがとうございました。

・森先生は,勤務地で阪神・淡路大震災と東日本大震災の両方に遭遇されたとおっしゃっていましたが,その後,取り組まれた「気仙沼のコンペ」から,ご自身の「第二の故郷」への思いがひしひしと伝わってきました。そして,森先生の「地元愛がなければ課題は解決されない」という言葉が重みを持って理解できました。挑戦することの大切さや,自分の未来の可能性を感じることのできた,とても重要な経験となりました。

 今回の研修に際しましては,国内業務企画部 宮崎様,正徳様,商業施設事業部 森様の3人の皆様に大変お世話になりました。本当にありがとうございました。今後とも,どうぞよろしくお願い申し上げます。

第1回オンライン講座(企業研修)

 2月5日(金)に,JICA関西様と本校をZoomで結び,第1回オンライン講座を開催しました。
 毎年,本校1年生は,9月に関西方面への企業研修を行っていますが,新型コロナウィルス感染拡大の影響があり,今年度は研修を実施することができませんでした。しかし,JICA関西様のご好意により,このたび希望者を対象に,オンライン講座が実現することになりました。
 講師は,独立行政法人 国際協力機構 関西センター(JICA関西)の津田かおり先生です。津田先生は,アフリカのマラウイに,JICA海外協力隊員として地質学調査に派遣された経験をお持ちです。マラウイのこと,海外ボランティアに行こうと考えたきっかけなど,短い時間でしたが,たくさんのお話をお聞かせいただきました。津田先生,ありがとうございました。
 参加生徒の感想をいくつか紹介します。

  私が最も印象に残った言葉は,「国際協力は助け合い」ということです。先進国から途上国への支援だけではなく,私たち日本人もいろんな国の人たちから助けられて生きているのだなあと感動しました。

 特に印象に残ったお話は,津田先生のお誕生日にプレゼントを買うことはできなかったけれど,お祝いをしてくれたマラウイのご夫婦のことです。津田先生と一緒に写った写真を見せていただくと,大切な人に喜んでほしいという純粋な気持ちがよく分かり,温かな人間らしさを感じました。

  日本から離れた地で2年間を過ごすことで,現地の方と親しくなれたり,新たな視野や価値観を得ることができるというお話が魅力的でした。私は以前から海外ボランティアに興味を持っていましたが,実際にそれに参加された方のお話をお聞きするのは初めてだったので,今回の講座は非常に嬉しかったです。