総合的な探究の時間

クエスト(令和5年度以前)

1年生クエスト・NIE(教育に新聞を)講座

6月3日(木),徳島新聞NIE・NIB推進室の寺西武士先生にお越しいただき,1学年対象のNIE(教育に新聞を)講座が開催されました。

当日は徳島新聞社様のご好意で,全員に6月2日(水)の朝刊が配布され,「高校生のための新聞の読み方~新聞を使って考える力を養う~」と題されたお話をお聞きしました。生徒の感想をいくつかご紹介します。

 

・私が1番心に残っていることは,関心のないことにも目を向けて「知ろう」とする態度がいかに大切かということです。これからは「ネット+1」の1として,新聞をはじめとした紙のメディアにも積極的に関わっていこうと思います。また,見出しにも注目し,要約のコツを学びたいと思います。また,批評を受け入れることで自分が成長できるということも教えていただきました。

・講座で配布された新聞を読んだだけでも,自分の知らない,また興味を引かれる情報がたくさんありました。さらに,新聞の見出しやリード文を考えることがどれだけ難しく,重要な仕事であるかを理解できました。スマートフォンひとつで自分の知りたい情報をすぐに入手できる現代で,新聞を読むメリットはあるのだろうかと思っていましたが,「関心のないことにも興味を向けるために新聞を読んでほしい」という言葉が最も印象に残りました。

・「新聞を読むとよい」とよく聞きますが,それはどうしてだろうという疑問を持っていました。しかし,新聞を読むことで社会の出来事を知るだけでなく,考える力や読解力が身につくことを学びました。また新聞の見出しや脇見出し,リード文といった構成についてお聞きし,こういった展開の方法は,今後意見を交わす中でも応用することができると思いました。私は今日の講座で学んだことを日常生活に活かしていこうと思います。

・この講座を聞いて1番大切だと思ったことは,大事なことは簡潔に述べるということです。私は今日,新聞の見出しのすごさを改めて感じました。なぜなら,900字前後の文章から最も重要な10文字程度のキーワードを提示し,私たち読者に伝わりやすいように紙面を作っているからです。寺西先生もおっしゃっていましたが,新聞は「究極の要約」だと思いました。私は普段,あまり新聞を読んでいません。ですが,今日の講座で学んだように,興味がある記事の見出しやリード文から少しずつ読んでいきたいと思いました。

・今の時代,デジタルで膨大な量の情報を得ることができますが,デジタルとアナログの使い分けも大切であるということが分かりました。また,ただ読むだけではなく,ニュースの背景や,自分と対立する意見,ニュースを読んで生まれた新たな疑問など,効果的な読み方を実践してみたいと思います。情報を集めるときは,ネットの情報プラスもうひとつ,新聞や本などのツールを利用していきたいと思います。これからは関心がなかった分野にも目を向けて,多様な情報にふれ,自分で考える力を養いたいと思います。

 

 

1年生が県庁舎見学に伺いました。

2020年3月17日(水),1年生希望者12名が徳島県庁舎見学に伺いました。

最初に,徳島県議会の傍聴席に案内していただき,続いて知事室も拝見しました。

その後,防災コースと労働コースに分かれ,県職員の方々から説明を受けました。

私たちの質問にも丁寧に答えていただきました。下記は,感想文の一部です。

このたびの見学は,県庁ふれあい室の皆様に大変お世話になりました。ありがとうございました。

【防災コース】

・私は今回初めて県庁の知事室や,議会の傍聴席に行きました。ここで私たち県民のためにたくさんの方が働いていると思うと,公務員の大切さを改めて感じました、防災コースでは,耐震シェルターや南海トラフ巨大地震連動の可能性などを教えていただき,私が今後,探究活動で取り組んでみたいと思うことがたくさん見つかりました。

・普段なら入ることのできない場所に入ることができ,貴重な体験をさせていただきました。実際に耐震シェルターを見ることができたり,徳島県がどのような対策を取っているのか知ることができたので良かったです。耐震診断についても初めて聞いたことだったので,印象に残りました。また,私の家も耐震診断してみたいと思いました。

・私は今回,シェルターが木造であることに衝撃を受け,命を守る材料がコンクリートだけではないことに気づきました。木造の建物を点検・改良することで,地震から命と住居を守るという話は最も印象に残りました。とても有意義な時間を過ごすことができました。

・県庁職員で構成された自衛消防組織があることに驚きました。また,災害時には「自助7割,共助2割,公助1割」のように組織をつくることで,円滑な防災ができることを知りました。他にも,SDGsや労働に関するお話が聞けて良かったです。これからの研究に活かします。


【労働コース】

・知事室等の見学はとても貴重な体験で,さまざまな知識を得ることができました。労働についてのお話もクイズ形式になっており,「そうだったんだ」と驚かされました。正しいことをしっかり知識として身につけられるようにしていきたいです。とても充実した1日となりました。

・私は徳島県で燃料電池パトカーが導入されていることを初めて知りました。これからも,徳島県が全国に先駆けて脱炭素化事業を進めていってもらいたいと思いました。県庁は防災設備が整っており,周辺地域の人々の避難所となっていることも知りました。11階から見た街の景色もきれいで,興味深かったです。

・労働コースのミニ講座では,最低賃金についてなど,知らなかったことをたくさん教えていただきました。この講座を受けていなかったら,もしそのようなトラブルに巻き込まれても解決することはできなかったと思います。それからSDGsについても教えていただき,これからの課題研究の参考になりました。

・1番印象的だったのは労働時間についてのクイズです。昼休み時間中に頼まれた仕事は労働時間に含まれることが意外でした。でもそうでなければ毎日昼休みに仕事をしなければいけない状態になることは,容易に分かります。新しい知識を得て,自分の問いや疑問に答えを導くことの必要性を改めて実感しました。この経験を普段の生活に取り入れたいと思います。

・県庁で働いている人たちは,役割や部署が違っても,「よりよい徳島県のために県民が安心・安全に生活できるように全力を尽くす」という共通の意識を持ってお仕事をされていることを強く感じました。私たちが知らなかった支援制度もたくさんあり,徳島県の新たな魅力を発見できました。今日の体験を通して,私は徳島県のことがもっと好きになりました。

・県庁舎の1つ1つに深い意味が込められており,たくさんの新しい発見がありました。また労働についてのお話の中では,職員の方々の「徳島県を良くしたい」という気持ちが伝わってきて,徳島で住んでいることが誇らしく感じられました。特に,「県庁がいろいろな企業の手本になるように」という言葉が印象に残りました。

・私は県庁に入るのが初めてだったのですが,皆さんのサポートのもと,とても有意義な時間を過ごすことができました。労働やSDGsの講義では,社会のしくみや政策を分かりやすく説明してくださり,踏み込んだ質問にも丁寧にお答えくださったので,一段と探究意欲が高まりました。学んだことを仲間とシェアして,知識を深めたいと思います。

・労働コースでは,労働時間や最低賃金などについてのクイズを通して,楽しく知識を得ることができました。また,県庁では,出産・育児をしやすい環境を率先して設けていることも分かりました。私たちの質問にも1つずつ丁寧に答えてくださったので,視野を広げることができました。今後は今回の経験を活かして,SDGsの研究を進めていきます。

課題研究発表会

 2月18日(木),本校で,Zoomを使用した令和2年度課題研究発表会が行われました。総合的な探究の時間(クエスト)代表班は,カメラの前で発表し,その様子を1・2年生が離れた教室で視聴するという初めての試みです。
 現2年生は,1年生の後半からSDGs(持続可能な開発目標)についての研究を始めましたが,この日,代表の8班がパワーポイントを用いて,研究の成果を堂々と発表をしました。加えて,令和2年度「NIPPON」探究ハイスクール事業の生徒発表も行われました。なお,各班のSDGsゴール目標と発表テーマおよび「NIPPON」探究グループの発表テーマと,全班代表者の感想(発表順)は下記のとおりです。

①SDGsゴール【飢餓をゼロに】
  発表テーマ【消費活動の中で起こるフードロスは解消されるのか】
 
 今まで全くプレゼンというものをしたことがありませんでしたが,スライドを作ったり,それを分かりやすく伝えるということが想像以上に難しいことを課題研究発表会を通して知ることができ,大変貴重な経験となりました。いただいた講評を参考にし,今後にいかしていこうと思います。【松田 龍憲】

②SDGsゴール【質の高い教育をみんなに】
  発表テーマ【先生一人に対しての生徒の数が減ると,〃教育の質〃はどうなるのか】
 
 一生懸命進めて来た研究を多くの人に聞いてもらう機会をいただけたことをとても感謝しています。研究をしてみて,答えのない問題に自分たちだけの答えを出すことの難しさや大変さを痛感しました。しかし,難しかったからこそ,この活動は価値があると感じました。発表が終わって振り返ると,研究は達成感があって楽しかったです。【坂本 萌々子】

③SDGsゴール【産業と技術革新の基盤をつくろう】
  発表テーマ【自動運転の実現は田舎の移動を救えるのか】
 
 班のみんなで何度も放課後に残り,プレゼンテーションや発表原稿を考えてきたので,とても緊張したが,うまくわかりやすく発表できたと思う。【小幡 空良】

④SDGsゴール【気候変動に具体的な対策を】
  発表テーマ【海面上昇は人間の脅威になり得るか?】
 
 緊張したが,予定通り発表することができてよかった。自分たちなりに調べ,学習をして,結論と提案を考えたが,大学の先生がおっしゃっていた〃批判的に考える〃ということが欠けていた。今回の発表を自分の将来に生かしていきたいと思う。【山口 秀人】

⑤SDGsテーマ【海の豊かさを守ろう】
    発表テーマ【日本はプラスチックによる過剰な包装から脱却可能であるか】
 
 今年はコロナの影響で例年とは異なり,Zoomを使ったカメラに向かっての発表となった。反省すべき点はたくさんあるが,伝えたいことはしっかりと伝えることができて一安心している。私たちのプレゼンを聞いて,誰か1人でもプラスチックとの向き合い方を意識してくれたら嬉しく思う。【廣田 智行】

⑥SDGsテーマ【つくる責任 つかう責任】
    発表テーマ【食品ロスを削減するにはどうしたらいいのか?】
 
 クエストを通して,初めてSDGsを知りました。大きな規模の話なので,自分たちには関係ないと思ってしまいがちですが,この活動をしてきた中で意識が変わりました。代表班として発表するために,内容についてもたくさん話し合いました。講評では,「意識を変える系」の結論は意味がないと教えていただきましたが,高校生の私たちが現在の問題を解決しようという意識を持つことは行動の変化につながるので,効果的だと思います。人に言われて意識を変えるのは難しいことなので,興味をもったことについて自力で深く調べ,考えることが大切だと,クエストを通して学ぶことができました。【井上 翔太】

⑦SDGsテーマ【貧困をなくそう】
    発表テーマ【アフガニスタンの水不足は井戸作りで解決できるか】
 
 本日はとても良い経験ができた。高校生の時点で,自らが研究したことを大勢の人の前で発表できるという機会は,とても貴重なものであった。構造上仕方のないことだが,聴いてくれる人の表情を見られなかったことは残念であり,これからの対策が問題だと思う。【岡田 眞宙】

⑧SDGsテーマ【すべての人に健康と福祉を】
    発表テーマ【過疎地域における医療従事者やサービス不足の解消はできるのか】
 
 他の班の発表に終始圧倒されていました。非常に稚拙な発表でしたが,代表班としてこのような経験をさせていただいたことはありがたいと思っています。「批判的な視点」をもって物事を観察できるようにしたいと思っています。【喜多 琉輝】

⑨「NIPPON」探究班 
  発表テーマ【なぜ,徳島高等女学校の修学旅行は,大陸に渡ったのか~修学旅行資料から見た大陸へのまなざし~】
  
 今年度は,コロナの影響により,多くの活動が県内などの狭い範囲に制限される年になりました。その中でも,新しい試みとして,Zoomで研究の発表をする機会を多くの方々のご協力により実現することができました。残念なことも多くありましたが,他の人の助けの大きさを実感できる発表であったと思います。【庄野 実里】

 すべての発表終了後,徳島大学の山口 裕之先生(総合科学部 社会総合科学科教授)と岩田 貴先生(教養教育院教授)から,ご講評と励ましのお言葉をいただきました。両先生のアドバイスを忘れないように,これまで以上に,課題研究に意欲を持って取り組みたいと考えています。
 今回の課題研究発表会開催につきましては,たくさんの先生方にご協力をいただきました。また3名の放送部員も大活躍してくれました。皆さんの後押しのおかげで,課題研究発表会が開催できましたことを深く感謝申し上げます。ありがとうございました。


第2回オンライン講座(企業研修)

 2月15日(月),住友商事関西支社と本校をZoomで結び,第2回オンライン講座が行われました。
 住友商事様には,長年,本校1年生の企業研修をお引き受けいただいておりますが,新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて,今年は関西支社にお伺いすることができませんでした。非常に残念な気持ちでおりましたが,住友商事様のご好意により,今回オンラインでの研修が実現致しました。今回も,生徒は個別にタブレット端末とヘッドフォンを用い,お話を聞き漏らさないように,講座に臨みました。
 生徒の感想文を一部,ご紹介します。

・今回のお話で最も驚いたのは,住友商事様は昔から植林活動をしていて,持続可能な社会を築いていくという考え方があったということです。素晴らしい信念だと思います。だからこそ,住友商事様が100年も続く大企業になったのだと感じました。これからの社会を担う私たちには,変化する社会に対応し,新たなものを生み出す力が求められています。学生のうちにさまざまな体験をして,思うだけではなく行動を起こせる力を身につけたいです。

・私が印象に残ったのは,「100点満点の行動はなくても,行動しないことは0点だ」というお話です。私は失敗が怖くて行動しなかったことが何度もあります。そして,そのたびに後悔していました。しかし共感して励まし合える仲間をつくって,やらない後悔よりやって後悔したいと強く思いました。私の質問にも答えていただき,嬉しかったです。本日は,本当にありがとうございました。

・森先生は,勤務地で阪神・淡路大震災と東日本大震災の両方に遭遇されたとおっしゃっていましたが,その後,取り組まれた「気仙沼のコンペ」から,ご自身の「第二の故郷」への思いがひしひしと伝わってきました。そして,森先生の「地元愛がなければ課題は解決されない」という言葉が重みを持って理解できました。挑戦することの大切さや,自分の未来の可能性を感じることのできた,とても重要な経験となりました。

 今回の研修に際しましては,国内業務企画部 宮崎様,正徳様,商業施設事業部 森様の3人の皆様に大変お世話になりました。本当にありがとうございました。今後とも,どうぞよろしくお願い申し上げます。

第1回オンライン講座(企業研修)

 2月5日(金)に,JICA関西様と本校をZoomで結び,第1回オンライン講座を開催しました。
 毎年,本校1年生は,9月に関西方面への企業研修を行っていますが,新型コロナウィルス感染拡大の影響があり,今年度は研修を実施することができませんでした。しかし,JICA関西様のご好意により,このたび希望者を対象に,オンライン講座が実現することになりました。
 講師は,独立行政法人 国際協力機構 関西センター(JICA関西)の津田かおり先生です。津田先生は,アフリカのマラウイに,JICA海外協力隊員として地質学調査に派遣された経験をお持ちです。マラウイのこと,海外ボランティアに行こうと考えたきっかけなど,短い時間でしたが,たくさんのお話をお聞かせいただきました。津田先生,ありがとうございました。
 参加生徒の感想をいくつか紹介します。

  私が最も印象に残った言葉は,「国際協力は助け合い」ということです。先進国から途上国への支援だけではなく,私たち日本人もいろんな国の人たちから助けられて生きているのだなあと感動しました。

 特に印象に残ったお話は,津田先生のお誕生日にプレゼントを買うことはできなかったけれど,お祝いをしてくれたマラウイのご夫婦のことです。津田先生と一緒に写った写真を見せていただくと,大切な人に喜んでほしいという純粋な気持ちがよく分かり,温かな人間らしさを感じました。

  日本から離れた地で2年間を過ごすことで,現地の方と親しくなれたり,新たな視野や価値観を得ることができるというお話が魅力的でした。私は以前から海外ボランティアに興味を持っていましたが,実際にそれに参加された方のお話をお聞きするのは初めてだったので,今回の講座は非常に嬉しかったです。