令和7年度第3回地球人カレッジ@JOTO
2025年10月1日 19時46分9月24日(水)に開催された第3回「地球人カレッジ@Joto」では、ウクライナ出身のアロナ・チジェンコさんをお招きしました。アロナさんはキーウの現代美術館でアーティストとの交渉を担うプロジェクトマネージャーとして活躍されてましたが、戦争から逃れるため3年前に来日され、現在は徳島でアート活動をされています。
講演は、ウクライナの国旗の色や戦士たちの呼ばれ方、伝統料理などに関する楽しいクイズから始まり、生徒たちは興味津々で参加していました。その後、ウクライナを代表するさまざまな行事の特色について、わかりやすく紹介してくださいました。
最初に紹介されたのは、「イワナ・クパーラ」と呼ばれる、毎年夏至に行われる夏祭りです。動画には、伝統衣装を身にまとい花冠をかぶった人々が踊る様子や、友人と一緒にたき火を飛び越える場面が映し出され、とても楽しげな雰囲気が伝わってきました。陽気な音楽も印象的で、生徒たちは食い入るように見入っていました。この祭りでは最後に花輪を川に流す習わしがあり、男女の花輪が一緒に流れると、その二人は結ばれるという素敵な言い伝えもあるそうです。
続いて、ウクライナのクリスマスについて紹介がありました。ウクライナのクリスマスは、宗教的な断食の期間と重なるため、肉を食べる習慣はないとのことですが、紹介されたクリスマスのごちそうは彩り豊かで、どれもとても美味しそうでした。また、「クリスマス・スパイダー」と呼ばれる飾りをツリーに飾る風習があることや、他国と異なる点として、サンタクロースは全身白い服を着ていること、クリスマスツリーは縁起が悪いとされ室内には飾らないこと、プレゼントはツリーの下ではなく枕の下に置かれることなど、興味深い文化を教えてくださいました。さらに、世界的に有名なクリスマスソング「Carol of the Bells」がウクライナの民謡をもとに、100年以上前に作られた楽曲であることもご紹介いただき、生徒たちは驚いていました。
また、大切な行事であるイースターについては、伝統的なパンを焼き、親戚が集まってごちそうを囲むことが紹介されました。ウクライナではイースターの期間中、先祖や亡くなった人の霊が家に帰ってきて1週間ほど家にいると信じられているそうで、日本のお盆との共通点もあると話してくださいました。
講演の最後には、ウクライナと日本の文化の類似点と相違点についてのお話がありました。類似点としては、お盆とイースター、僧侶の火渡りとイワナ・クパーラで火の上を飛び越える風習などが挙げられました。一方で、印象的な相違点として、伝統衣装の扱い方についての文化の違いが紹介されました。日本では着物をリメイクして新しい服や小物に仕立て直すことがありますが、ウクライナでは伝統的な民族衣装にハサミを入れることは絶対にしないとのことで、アロナさんにとって日本の文化はとても驚くべきことだったそうです。この話から、日本とウクライナでは伝統の守り方に違いがあることが分かりました。
アロナさんのお話を通して、生徒たちはウクライナの人々が大切にしている文化や、物に対する価値観、伝統文化の守り方などについて学び、自分たちの文化に対する理解や考えを深める貴重な機会となりました。
アロナさん、Дякую!
On September 24, the third session of Global Citizens College @ Joto featured guest speaker Ms. Alona Chizhenko, a Ukrainian artist currently based in Tokushima. Formerly a project manager at a contemporary art museum in Kyiv, she moved to Japan three years ago to escape the war. Ms. Chizhenko's engaging presentation began with a quiz about Ukrainian culture, followed by an introduction to major traditions such as the Ivana Kupala summer festival, where people dance in flower crowns and jump over bonfires, and unique Christmas customs like "Christmas spiders" and placing gifts under pillows. She also spoke about Easter, highlighting its similarity to Japan’s Obon in honoring ancestral spirits. She concluded by comparing cultural similarities and differences between Ukraine and Japan, especially in how each country treats traditional clothing. Students came away with a deeper appreciation for Ukrainian traditions and were inspired to reflect on their own cultural heritage.
Дякую,пані Алона!