総合的な探究の時間

クエスト(令和5年度以前)

1年生・エシカル消費講演会

12月16日(金)に1年生を対象にしたエシカル消費講演会が行われました。

講師:鎌田 安里紗氏(一般社団法人unisteps共同代表)(徳島市出身)

演題:「サステナブルファッションー人と自然と衣服のつながり-」

鎌田先生は,上記の共同代表をお務めになると同時に,環境省森里川海プロジェクトアンバサダーや消費者庁サステナブルファッションサポーター等,エシカル消費を促す活動に精力的に取り組まれています。また現在は,大学院の博士課程にも在籍されているそうです。

講演のなかでは「私たちの衣服はほぼ海外でつくられていること」「綿花生産や縫製に関わる海外の労働者に過重な負担が掛かっていること」「チリのアタカマ砂漠の現況」など,ひとつひとつ丁寧にお話をしてくださいました。また続いて,本校のエシカルクラブ代表者4名が参加してパネルディスカッションも行われました。さらに会場に質問が投げかけられると,意見を述べる手が次々と上がりました。

鎌田先生。ありがとうございました。下記は生徒のポートフォリオの一部です。

・私たちの衣服は,日本では1.8%しかつくられていないという状況に驚きました。今まで私は安価でかわいいからという理由で服を選んでいましたが,この講演を機に,自分の消費行動を見直したいと思います。

・「服を買う」という私たちの行動一つが経済の問題につながっていることを知り,壮大な感じを受けました。バングラデシュで起こった労働災害や,ニュースで知った他国の強制労働など,何がそこで起きているか分からない状況に危機感を覚えます。

・「気になることは企業に聞いてみたらいい」というお話に驚きました。インターネットで得る情報には限りがあるし,知りたいことがそのままずばり載っているわけではありません。私たち消費者の質問や意見は企業を良い方向に変えていけると思います。

・服をつくるのに人,自然,動物などいろいろなものや場所に負担が掛かっていることを改めて認識しました。服一着をつくるのに多くの水が汚染されていることを考えるだけで,毎日の生活に感謝すると同時に,自然や労働環境を変えるために何か行動するべきだと思いました。

・パネルディスカッションに参加した生徒の質問を通じて,エシカルファッションについてより詳しく知ることができました。なかなか店員さんに質問をすることはできないと思いますが,今度服を購入するときは,今自分に必要なものなのか,よく考えるようにしたいです。

 

1年生・クエスト講座(academic)

11月10日(木),クエストの時間に,山口 裕之先生(徳島大学総合科学部 教授)による講演会が行われました。

山口先生には,これから課題研究を始める1年生のために,毎年講演をいただいております。

この日の講座は「『覚えること』から『問いかけること』へ」と題され,「君たちはなぜ学ぶか」「問う価値のある問いとは何か」「何を調べ,どのように答えるのか」「知識を体系づけるとはどのようなことか」など,多岐にわたったお話をしてくださいました。

山口先生。ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくご指導ください。

下記は生徒によるポートフォリオの一部です。

・本来あるべき姿の「考えること」とは,頭の中にあることを取り出す,つまり暗記することではなく,課された問いについて「調べる」「書く」「足りない部分を補う」行動であることがよく理解できました。

・学力テストで点を取るために昨夜も必死で勉強していましたが,いざ自分は何のために勉強しているのだろうと考えると全然答が出てきませんでした。だからこそ,今回の講演はどこか目から鱗が落ちたような気持ちがしました。

・日々の「当たり前」に疑問を持ち,「どうしてこうなのか」「~ではないのか」と自分に問いかけ,自分の考えを持つことがいかに大切か分かりました。

・私はもともと本を読むのが好きなので,その知識が「雑学」になるだけでなく,「学問的価値のある問い」に昇華できるように,いつでも疑問を持ちながら本を読んでいきたいと思います。

・与えられた仕事をただこなすよりも,自ら関心を持って追究していったことの方がはるかに定着力が高く,価値のあるものに感じられます。興味のあることに着目し,疑問を明確にしながら,自分なりの課題研究を進めていきたいと思います。

・私はひとつの主張や意見,自分の考えだけを,根拠がないままに信じてしまいがちです。しかし山口先生のお話を聞いて,これからは物事に対して複数の見方を持つようにすべきだと思いました。

・山口先生のお話を聞いて,改めて「学ぶ理由」について考えることができました。正しく考える力,事実と論理に基づいて妥当な判断をする力,そして民主的な社会を支える市民として必要な力を身につけるために,「問う価値のある問い」をつかむことが大切だと知りました。

1年生・企業研修ポスター展

本校多目的ホールにおいて,1年生の企業研修ポスター展が開かれました。

企業研修班・65班が創意工夫を凝らし,総合的な探究の時間(クエスト)に作成したポスターです。

11月5日(土)の学校公開日には,たくさんの保護者の方々にも見ていただきました。

英語でポスターを作成した班も多く,力作65枚がホールを飾りました。

1年生・企業研修事後講座

10月20日(木)クエストの時間に,ポスターセッションに続いて企業研修事後講座が行われました。

講師 野々山 聡先生(合同会社パンゲア 最高経営責任者)

講座タイトル 「上勝町のブランディング 『第一原理』≠『暗黙知』」

私たちは,企業研修に向かって1学期から事前学習を進めてきました。今日の講座はその「総仕上げ」となります。野々山先生のお話を聞き漏らすことのないように真剣に講座に臨みました。野々山先生。ありがとうございました。

下記は当日のポートフォリオの一部です。

・野々山先生がされた「川の話」が印象に残っています。私の身の周りにあるものでも,客観的に見るとまた新たな価値が出てくるように思います。

・葉っぱビジネス・いろどりが成功したからこそ,ゼロ・ウェイストの導入もスムーズとなったという過程がよく分かりました。

・野々山先生のおっしゃっていた「クリティカルシンキング」という言葉と意味を忘れないようにしようと思いました。また,上勝町のことを「私ごと」に落とし込んで考えてみようと思います。

・「認知の欲求」が成功と密接に関わっていることがよく分かりました。また当たり前のことを当たり前と思わず,新しいアイディアを産み出す力を養いたいと思いました。

・「どうやったら町民が動いてくれるか」という言葉が心に残りました。私も,「当たり前」という概念にとらわれず,クリエイティブな思考を持ちたいと思います。

・何かを始めるにあたって,その環境を知ることがいかに大切かを教えていただきました。周辺の人々や自然,経済状況,その全てが成功のヒントになることを知りました。

・「ゼロ・ウェイストを上勝町第2のブランドにする」との行政の意気込みが「ごみゼロ」成功の発端であったことを初めて知りました。

1年生・企業研修ポスターセッション

10月20日(木),先日の企業研修で学習した成果を発表しあうポスターセッションが行われました。

1学年全員が大アリーナに集まり,1~7組を3グループに分けます。さらに1グループごとに3分間の説明のあとに質疑応答を行います。他の2グループは「聞き手」となって,自分が興味を持つポスター班の説明を聞きに行くという方法です。

この日は企業研修で大変お世話になった野々山 聡先生(合同会社パンゲア 最高経営責任者)もポスターセッションに加わってくださり,最後に講評をいただきました。

下記はポートフォリオの一部です。

・同じ体験をしたはずなのに,クラスや班によって感じ方や考え方が全く違っていたことが興味深かったです。

・「人口が減少しても,いろどりの売り上げが増えている」ことをグラフを用いて紹介している班がありました。私ならば思いつかないアイディアだと思い,感心しました。

・私たちの班も,みんなで考えたことを簡潔にまとめ,しっかりと伝えられたと思います。聞きに来てくれた人が一所懸命聞いてくれたのが嬉しかったです。

・どの班の発表も,聞いていると新しい発見がありました。私たちの班も,質問にすぐに答えることができました。よかったです。

・聞き手の皆さんは,ポスターによく注目してくれてメモもたくさん取ってくれました。私たちも他のグループの発表のときにはよく聞いてメモを取るように心がけました。

・上勝町が成功した事例を他の地域に当てはめて実現可能か発表していた班があり,すごい!と思いました。

・私たちの班はポスターも説明も全て英語で行ったのですが,日本語よりもストレートに意見を伝えられるのではないかと感じました。