SGH スーパーグローバルハイスクール

第1回グローバルヘルス講座が行われました。

 

本校では,人類の健康と環境に貢献するグローバルリーダーの在り方を考えるために,「グローバルヘルス」という授業を設けており,授業内で年に数回講演を行っています。
その今年度第1回目として,平成30年6月25日,昨年に引き続き,徳島文理大学 薬学部教授の姫野 誠一郎先生を講師としてお迎えし,「アジアの人々の飲み水と健康」というテーマで1年生を対象とした講演をしていただきました。
まず,徳島県の上水道や下水道の普及率など、身近な話から講演は始まりました。そして,主にアジアの飲み水のヒ素汚染問題を中心にお話は進んでいきました。講演の中にはこの問題に取り組む先生が,実際に現地で撮られた動画や写真がふんだんに盛り込まれており,非常に多国籍な調査チームの様子もうかがえました。
そして,最後に「ヒ素は毒にも薬にもなり(薬毒同源),白血病の薬に含まれている」という驚きのお話がありました。物の見方を変えるだけで,一方では憎まれ嫌われている物が,一方では人を救っているという事実に,薬学の面白さを感じると同時に自然環境や科学とうまく付き合っていくには先入観ではなく柔軟な思考力が必要なのだと考えさせられました。
現在,1年生は,「グローバルヘルス」の授業の中で,ポスター発表に向けてのグループ別での調べ学習に取り組んでおり,「グローバルな健康問題」についての知識を深めているところであります。そのような中,姫野先生のご講演を聴くことができ,さらに見聞を深めることができる良い機会になったと思います。

(生徒の感想)・・・一部抜粋
・先生のお話を聞くなかで,今まで自分は,善意をおしつけ,自己満足で終わっていたことはないか,と考え直した。また、ヒ素のようにひとつの答えはこれ,と決めつけずに,たくさんの見方ができることを,常に見方を探し続けることを忘れないようにしたい。
・ボランティアで現地の人を助けようと行っても,現地の人で解決できるようにしないと意味がなく,相手側からすると迷惑になってしまうということで,自分も勘違いしていたということに気づいた。
・初めは完璧な国際協力などできないから,何度も何度も考え,行動することを繰り返すことが必要であるという言葉は,今生きていく中でも生かしていける考え方だと思いました。